ハーレーダビッドソンの歴史を語るうえで欠かせないのが、**ショベルヘッド(SHOVELHEAD)とエボリューション(EVOLUTION)**という2つの名エンジン。どちらも時代の空気とライダーの心を熱くした、まさに“ハーレーの心臓”だ。
まずショベルヘッドは、1966年から1984年まで生産されたモデル。パンヘッドの後継として登場し、特徴的なロッカーカバーの形が「ショベル(スコップ)」に似ていることからこの名がついた。見た目もサウンドもまさに無骨で荒々しい。オイルのにじみや振動も多かったが、それすら愛おしいというファンも多い。機械と一緒に呼吸するような感覚があり、乗るたびに“生きている鉄馬”を感じられるのがショベルの魅力だ。代表的なモデルは「FLH エレクトラグライド」や「FX シリーズ」など。
一方、1984年に登場したエボリューションは、ハーレーが再生をかけた新世代エンジン。アルミ製ヘッド&シリンダーを採用し、軽量化と冷却性能をアップ。オイル漏れが減り、メンテナンス性や信頼性が飛躍的に向上した。まさに“壊れないハーレー”の時代の幕開けだ。ショベルの荒っぽさを残しつつも、スムーズで扱いやすいトルク感が魅力。エボの登場で、ハーレーは再び多くのライダーの心を掴んだ。代表モデルは「ソフテイル」や「FXR」、「スポーツスター1200」など。
ショベルは“ワイルドな不良の香り”、エボは“頼れる相棒”といった印象。ショベルを走らせると、まるでバイクが主導権を握っているようで、乗り手はその気まぐれに付き合う感じ。一方のエボは、ライダーの意思に素直で、長距離ツーリングも快適にこなす。どちらにも確かな鼓動感があり、乗り手のスタイルが反映されるエンジンだ。
整備の手間も含めて“ハーレーを味わう”ならショベル、安心して日常と旅を楽しみたいならエボ。どちらを選んでも、キーをひねった瞬間から始まるのは鉄と鼓動の物語。時代を超えて受け継がれるハーレーのエンジンには、いつの世も変わらぬ「自由」の音が響いている。
ふむふむ、なるほどー!



















